NO13 西山ラフ

画像犬種:
アメリカンコッカースパニエル/オス
名前:
西山ラフ
オトスコープによる中耳炎の治療 アトピー、食物アレルギー

飼い主さんコメント

我が家に初めてわんこがやってきたのはH22.7.19 アメリカンコッカースパニエルのオス、名前は「ラフ」です。ころころと可愛らしくすぐに家族の一員になりました。 
よく食べ 元気に走り回って過ごしていたのですが 2歳になる前ころから耳の調子が悪く近くの動物病院に通うことになりました。外耳炎といわれ洗浄と投薬で治療していたのですが、耳の穴の手前にイボのようなものができ、だんだんと穴がふさがってきました。「この子は耳の中のヒダが多いから穴が小さくなってきている、外耳炎は長くかかるから・・・・」と言われ洗浄と投薬を半年間続けていましたがなかなかよくならず 耳の縦穴部分を切開手術することを勧められました。ここを切開したら空気が入り炎症が抑えられるといわれていました。これでよくなると安心して迎えた手術当日、先生から電話がありました。「中をよく見てみたらもう手術不可能でした。このまま投薬治療を続けますがそのうち聞こえなくなります。聞こえなくなる前に痛みがひどくなるので投薬でごまかしながら治療しますが、後々は耳を取る手術をしなければいけません。」と言われました。全く意味が分からず、ただただ呆然とし電話を切りました。聞こえなくなるだけではなく、耳を取る手術なんて聞いてなかったので何が起こったのかわからないでいました。 
翌日 説明を受けたのですが、耳の全摘という説明でした。そういう外科手術があることも、ラフがそこまで悪くなっていることも全く知らずにいたので、どうしたらいいのかわからなくなってしまいました。その後も何とかならないか聞いてみたのですが答えは同じでした。

とにかく今の状態を少しでも保てるように、耳の洗浄をしなくてはと洗浄薬を探そうとネットで洗浄薬を見ていたところ、購入者のコメント欄に「家の犬はゴールデンレトリバーで外耳炎を繰り返していましたが、最新の内視鏡治療でとてもよくなりました。国内には十数台しかない内視鏡らしいです。別の病院では外科手術されていたことでしょう。」と書いてありました。最新の内視鏡!!まさかそんなものがあるなんて、もしかしたらラフも治るかもしれない!!と、その後更に検索しました。 
「最新内視鏡治療」「獣医最新治療」「獣医内視鏡」・・・・などいろいろな言葉で検索したところ、その内視鏡が「オトスコープ」だということがわかり、更に検索すると、「北川犬猫病院」にたどり着きました。 
ホームページを見てみると同じコッカースパニエルの子が同じような症状で治療したことを知りました。「ラフも助かるかもしれない!!」と興奮してしまいました。すぐに北川犬猫病院に連絡すると、突然のことにもかかわらず、とても丁寧に対応していただきました。事情を話すと、まず長崎からの連絡にとても驚かれていましたが、ひとつひとつ聞いていただきました。 
アレルギー体質から耳が腫れているかもしれないので治るかもしれないが、診察してみないとはっきりと答えられないし、長崎から診察にくるのも時間的に無理かもしれないとのことでした。私たちはすぐにでも行こうと思っていたのですが、落ち着いて考えてみるとかなり難しいことがわかりました。でもどうしても助けて欲しくて相談しました。三枝先生も本当に親身になって対応してくださりいろいろな方法を考えてくださいました。 
九州内でオトスコープを持っている獣医さんを探してくださり、先生ご自身に連絡を取っていただき、そちらに診察に行くことになりました。これで何とかなるかもしれないと思っていたのですが、診察結果は、以前地元の獣医さんが判断したのと同じで、耳の全摘外科手術しかないとのことでした。治ると期待一杯で行っていたので、その言葉を聞いた瞬間、目の前が真っ暗になり倒れてしまうほどでした。 
しかし、どうしてもあきらめきれず、また三枝先生に相談しました。お忙しい中、時間をつくってくださり、何度も話を聞いていただきました。東京に連れて行くので1度見て欲しいとお願いしたところ 
快く承諾してくださりました。とにかく耳の穴が開かないことには診察できないので、まずは薬で少しでも穴を開いてからの診察になりました。1か月後に予約を入れていただき診察を待つことになりました。薬を飲み始めるとだんだんと穴が開いてきました。薬の効果にとても驚いたのですが何よりも嬉しかったのが、寝てばかりで音に反応しなかったラフが、お気に入りのおもちゃで遊び始め、音に反応し始めたのです。表情が豊になり以前のラフに戻ったようでした。その姿に家族でとても喜びました。 
先生にはEメールで耳の画像(写真1)を添付し状況を報告したりしましたが、先生は忙しい中にも関わらず電話やメールで連絡をとっていただきました。まだ、一度も会ったこともない私たちにとても親身に対応していただきました。 

手術直前の写真。左耳の付け根全体が盛り上がっている

写真1 E-mail で送信した画像

数日後先生から「一度の診察では治療は難しいので、短期集中治療で1ヶ月入院するのはどうでしょう?合宿だと思って預けてもらえないでしょうか」と言っていただきました。とても嬉しい言葉でした。甘えん坊のラフなので不安は少しありましたが、先生になら預けても大丈夫!と今までのやりとりで安心して預けられると確信していましたので、お世話になることにしました。 
長崎から車で片道1200kmの道のりを走り、なんとか無事に病院に到着しました。初めてお会いする先生やスタッフの皆さんも、優しい笑顔で迎えてくださり安心して預けられると改めて思いました。 
入院生活はどうなることかと思っていたのですが、人なつっこいラフなので先生やスタッフの皆さんに可愛がっていただけそうで何とか過ごすことができるのではないかと思いました。 
肝心の耳は最初見た限りでは大丈夫だろうとのことでしたが、中を見てみると鼓膜や骨も無いほどにとてもひどい状態だということでした。(写真2,3)先生もこの若さでどうしてここまでひどくなるのだろうと頭を悩まされていました。私たちもそこまでひどくなっているとは知らず、可哀想なことをしてしまったと悔やんでばかりでした。それでも先生は、外科的処置はせずに内科的治療を進めますと言ってくださり、とてもすくわれました。アレルギー体質が関係していること、外耳炎ではなく中耳炎になっていることなど、全く知らなかったことを教えていただきました。 

手術直前の写真。左耳の付け根全体が盛り上がっている

写真2 オトスコープ2回めの画像。
荒廃した鼓膜付近の所見。

写真3

写真3 狭窄した耳道のオトスコープ所見。

治療は、耳の中の腫れが引き、膿が止まることが目標となりました。なかなかひかない腫れは、やっかいな耐性菌によるものでした。しかし、その菌に対しても、薬を探していただきながら試行錯誤で対応策を考えてくださいました。 
毎回治療を嫌がるラフを、優しくなだめて診察してくださったり、アレルギー対応のフードを食べず悩ませてしまったり、散歩に何度も連れ出してくださったりとたくさんのご迷惑をかけているのにもかかわらず、大丈夫ですよ!ラフちゃんも頑張っていますからみんなでお世話しています。と優しく言ってくださり感謝の気持ちでいっぱいでした。 
メールや電話での近況報告は、山あり谷ありの連続でした。なかなか引かない腫れと止まらない膿に毎回どうなるんだろうと心配していたのですが、先生方の根気強い治療の成果が徐々に出始め、耳道は少しずつきれいになり以前と比べると驚くほどいい状態になってきました。しかし、腫れは退いたり、また腫れたりの繰り返しで、「退院予定日には間に合わないようです。」との連絡がありました。先生も 「飼い主の元へ早く返してあげたい気持ちと獣医として膿がおさまってから退院させないといけないとの思いが葛藤しています。」と話してくださりました。今の状態では帰ってきてからのケアなど難しいので更に2週間延長して治療してもらうことになりましたが、耳の状態としては腫れが退いても鼓膜も骨も無いので、このままの状態を維持していくことしかないと言われました。それでも以前の状態からは考えられないほど良くなっているし、耳の全摘手術を免れられるのなら今の状態を維持していこうと思っていました。 
退院前の最後のオトスコープの日、先生から嬉しい連絡がはいりました。 
「西山さん!ラフちゃんの鼓膜が再生していますよ!!血管も確認しましたよ」(写真4)と、びっくりする連絡でした。先生・スタッフの皆さんのおかげで奇跡が起きたのです! 
もう受話器を持ったまま飛び上がるほどうれしかったです。 
家族みんなでとても喜び、ついにお迎えの日を迎えました。 
1か月半ぶりに会うラフはとても元気で、しっぽを振り駆け寄ってきました。 
先生・スタッフの皆様も笑顔で迎えてくださり、「ラフちゃん頑張ったかいがありましたね!良かったですね 」と声をかけてくださいました。

 

手術直前の写真。左耳の付け根全体が盛り上がっている

写真4 再生した鼓膜のオトスコープ所見。

長い間お世話をしてくださった北川犬猫病院の皆様には、言葉では表現できないくらい感謝しています。 
本当に出会えて良かったと心から思っています。ありがとうございました。

ラフは家に戻ってからも、とても元気です。大好きな散歩に行くと嬉しそうに走り回っています。 
先生に治していただいた耳をまた再発させないようにケアをしていきたいと思っています。 
本当にお世話になりました。ありがとうございました。

きっと他にも、同じように悩んでいる方がいらっしゃるのではと思います。ぜひ先生に相談してみてください。道が開けると思います。 

獣医師コメント

長崎~東京 1200kmを超えて愛犬を連れてきた飼い主の治してあげたいと言う気持ちに
敬服します。憂うべきは、耳炎が治り難いとすぐに外科手術を勧める獣医の早計さです。
難治性の耳炎にであったら、まずその原因を探るべきです。原因不明のものも多々ありますが、考えられる増悪因子をひとつずつ除去し、根気強く治療を継続し耳道の開通と鼓膜の再生をはかる努力を惜しまないことです。

北川犬猫病院 三枝早苗

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