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耳から出てきたノギとポリープ 黒パグ りくちゃんの場合

IMG_3087-4 患者様からいただいたコメント
三枝院長
三枝院長

患者様より頂いたコメントをブログで紹介させていただいています。ありがとうございました。

  • 犬種:黒パグ
  • 名前:森りく
  • 病名:異物性中耳炎

飼い主さんコメント

ぺこ(推定14歳)りく(推定9歳)なつ(11歳)うの(推定3歳)

今、我が家に居る4パグ達です。飼い主さんが亡くなったり、遺棄されたり、みんな保護犬です。

私達は、2013年9月に、自宅前から行方不明になった黒パグめいの事を機に、保護犬と暮らす選択をし、今に至っております。

保護犬の中でも、遺棄された子は、それまでの健康状態は元より飼育状況は全く分かりませんので、我が家に来てから、様々な症状が見つかる事が多々ありました。

そんな中でも、りくについては、見た目では全く分からなかった耳の異常が明らかになりました。

りくは、2015年5月、小さい町のスーパーマーケットの駐車場で遺棄され、スーパーマーケットに入店し、店内にて保護された黒パグ男子です。

その当時、私達は、めいの情報を得る為に、県内保健所のホームページを検索する日々でした。

そこで、迷子犬として掲載されていたりくを知ることになります。1週間の係留期間を過ぎても、元の飼い主さんは現れず、 私達は、これもめいが引き合わせてくれた縁と思い、りくを家族として迎え入れ、彼との生活がスタートしました。

りくを迎えて間もなく、先住犬のあん(保護犬・推定9才・黒パグ女子)が眼振発症。色々調べた結果、耳の異常からくる症状と判明し、犬の耳鼻科に特化している獣医を捜すこととなります。
パグとの生活も15年目になっていましたが、耳の異常については初めての事でしたので、藁をもつかむ思いで見つけた某病院を受診。

あんの状態は、予想以上に悪化していて入院治療となり、半月の間にオトスコープを5回実施。また、この間に、軟口蓋を切除しなければ、麻酔を施すことが出来ないと言われ、 軟口蓋切除の手術も受けました。こうして、私達は、あんの状態が良くなる事を願って治療を続けたのですが、症状は改善されず、結局、右耳全耳道切除となり、 手術は成功したかのように思っていたのですが、翌日に亡くなってしまうという最悪の結果となってしまいました。

その一方で、りくは、その頃から耳を気にするようになっていて、頭を振る・耳を掻くといった状態が見受けられ、あんの二の舞にならぬよう、再度、耳鼻科に特化している獣医を捜すことになりました。

そして、出会ったのが北川犬猫病院の三枝院長先生でした。

初めて予約の電話を入れた際に、事務的に予約を取るのではなく、遠方からの受診になる事にご配慮頂き、りくの状態は元より、あんが亡くなった経緯に付いても詳しく聞いて下さった事を、今でも覚えています。

こうして、りくは、めいとあんに導かれ、2016年5月より、耳の治療を始める事になります。

りくの耳道は、壁が剥がれたようにガサガサな状態で、毛束も大量に詰まっていて、鼓膜を確認する事が出来ないほど汚れていました。

オトスコープを実施し洗浄を繰り返すなかで、治療を開始して8ヶ月後には、草の実を3個摘出しました。CT・MRIも3回経験し、左耳鼓室胞を形成する骨が融解していた事も分かりました。

耳から取り出されたノギ

耳以外にも、耳の治療を始めて間もなく、交通事故に遭い5箇所の骨盤骨折。左耳の付け根から頬にかけて広範囲に皮膚がただれて入院する等、様々な事がありましたが、 それでも、諦めずに治療を続けられたのは、どんな時も、りくを一番に考えて下さり、あんの時のように、症状が悪化しているからといって急いで治療を進める事無く、 他の方法を色々と考えて下さった三枝院長先生はじめ、スタッフの皆さんのお陰だと思っております。

耳の疾病について皆無に等しかった私達は、ただただ、あんの二の舞だけは避けたかったので、三枝院長先生の細やかな心配りに、どれだけ支えられたか、言葉では言い表せない程です。

そして、今、治療を始めて3年経過したりくの耳は、鼓膜を確認する事が出来る状態になり、服薬も無く月1回の受診で経過を見ています。

あんやりくを迎えなければ、犬の耳疾患、特にパグの耳は悪化しやすい事について、これほどまで知ることには至りませんでしたし、全く違った治療を続けていたかもしれません。 かかりつけ医の適切な診断の元、すばらしい獣医師と巡り会えたことで、これからも、安心してパグとの生活を楽しめると思っています。

獣医師コメント

この患者さんは、異物の迷入(ノギ)により中耳炎を起こしていました。

異物は取り除かれましたが、その後、中耳の中にポリープが発生し除去しました。鼓室の壁に穴が開いていて、洗浄すると汚い液が頭蓋の中に漏れてしまい、中耳の中をきれいにすることが難しかった症例です。

オトスコープ画像  耳道を塞ぐポリープ
取り出したポリープ
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MRI画像 赤い矢印がポリープ
CT画像 中耳の壁に空いた穴

気を付けなければいけないことは、画像を撮らないで中耳を洗浄するとポリープはなくても同様のことが起きる危険性があります。

お家の周りの草地

お話をお伺いし、お家の周囲 写真を拝見させていただきました。お家の周はノギを持ったイネ科の植物で囲まれていて、体にノギがくっつく危険性が非常に高い環境でした。散歩のときは注意してください。