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脱毛症の治療に多毛症(副作用)を利用して発毛した例 

kinako2 当院での治療例
  • 犬の種類:パピヨン
  • 名前:きなこちゃん
  • 生年月日:2010年2月
  • 病名:休止期脱毛症

治療前

2014年ごろから脱毛と膿皮に気づき、2016年4月に初診で来院していただきました。

初診時の検査は副腎皮質機能亢進症を疑いACTH試験、甲状腺機能低下症を疑って甲状腺ホルモンを測定しました。

発毛のサプリメントとして、メラトニンとアルギンチャンプを投与したました。

皮膚のバイオプシー(生検)も同時に行ないました。

腹部超音波検査で副腎のサイズを測定しました。

その結果、甲状腺のホルモン値は正常値であり、 副腎のコルチゾール値は刺激前の方が高値を示しました。

バイオプシーの病理学的所見は、膿疱性浅層性皮膚炎でした。

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初診時:右側面
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初診時:左側面
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初診時:おなか
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初診時:うしろ

治療方針

アトピカは犬のアトピー性皮膚炎をコントロールするときに用いられますが、その経過中の副作用として、投与後一カ月か二カ月で被毛の新生が大量に見られます。

副作用とは普通悪い意味で使われますが、この場合は逆に良い結果を期待して毛包を刺激して発毛させてみることにしました。

2016年7月にメラトニンを中止したら発毛が見られた。

2016年10月には、膿皮が無くなって 皮膚が改善してきた。

2016年12月には、被毛のキシキシした触感がなくなりやわらかくなった。

2017年6月からアトピカとケトコナゾールを投与し始める。

2017年7月に膿皮症の部位が発毛してきた。

2017年10月に毛量増加し、発毛がピークになる。

治療後

2018年2月ごろには下の画像の状態になりました。

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治療後:右側面
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治療後:左側面
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治療後:おなか
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治療後:うしろ

獣医師コメント

臨床的には、ホルモン性の脱毛の所見を示していても検査所見がそれを証明できないことがときどきあります。

この症例もそれに属していますが、定期的にホルモンの測定を行いホルモンの関与を疑うべきです。