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【獣医師が解説】猫ちゃんの嘔吐はよくあること?それとも病気のサイン?
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こんにちは。北川犬猫病院獣医師の鈴木です。
曇りが多くジメジメした梅雨の時期が終わり、暑い日が続く本格的な夏がやってきましたね。
皆さん、お元気にお過ごしでしょうか。
今回は、猫ちゃんの嘔吐について、お話ししようと思います。

診察をしていると、「猫ちゃんは正常でもよく吐くときくけど、たまに吐いてるくらいなら大丈夫?」と聞かれることがよくあります。
たしかに猫は犬と比べて吐くことが多い動物です。それは猫の胃の構造によるものや、嘔吐反射が犬より強いと言われている影響もあります。
そのため、「また毛玉かな?」「いつものことだから大丈夫」と様子を見てしまう飼い主さんも少なくありません。
しかし、嘔吐の中には病気のサインが隠れていることもあります。今回は猫の嘔吐について、受診の目安も含めて解説します。
猫が吐く主な原因
1. 毛玉(毛球症)
猫は毛づくろいをする際に多くの毛を飲み込みます。
飲み込んだ毛が胃の中でまとまり、毛玉として吐き出されることがあります。特に長毛種や換毛期にはよくみられます。
月に数回程度の毛玉の嘔吐で、食欲や元気に問題がなければ大きな心配はいらない場合が多いでしょう。
2. 早食いによる嘔吐
空腹時間が長かったり、勢いよく食べたりすると、食後すぐに未消化のフードを吐いてしまうことがあります。
これは病気ではなく「吐出」に近い現象です。
吐出とは、食道にある食べ物が胃に入る前に、口から出てしまうことです。
頻繁に起こる場合は食事回数を増やしたり、小粒のフードを与えたり、早食い防止の工夫をしたりすると改善することがあります。
3. 胃腸炎
食べ慣れないものを食べた、ストレスがかかった、軽い感染症にかかったなどの理由で胃腸炎を起こすことがあります。
嘔吐だけでなく、
- 食欲低下
- 軟便や下痢
- 元気消失
などがみられることがあります。
4. 慢性腸症や炎症性腸疾患(IBD)
「月に何度も吐くけれど元気はある」という猫では、慢性的な消化器の炎症が隠れていることがあります。
以前は「猫はよく吐く動物だから」と考えられていましたが、近年では慢性的な嘔吐は異常と考えられることが増えています。
週に何回も吐く状態は、一度検査を受けることをおすすめします。
5. 異物誤食
紐、おもちゃ、ビニール、輪ゴムなどを飲み込むと、胃や腸に詰まって嘔吐を引き起こします。
若い猫ちゃんに起こることが多いです。
特に紐状異物は猫で多く、放置すると命に関わることがあります。
おもちゃでよく遊ぶ子や、なんでもくわえてしまう子が、急に何度も吐く場合や、食欲がなくなった場合は注意が必要です。
6. 腎臓病
高齢猫で非常に多い病気です。
腎機能が低下すると体内に老廃物が蓄積し、吐き気を引き起こします。
- 水をたくさん飲む
- 尿量が増える
- 体重が減る
といった症状がある場合は腎臓病の可能性があります。
7. 甲状腺機能亢進症
高齢猫でよくみられる内分泌疾患です。
食欲はあるのに痩せてくる、落ち着きがなくなる、多飲などとともに嘔吐がみられることがあります。
8. 腫瘍性疾患
リンパ腫などの消化器腫瘍でも嘔吐が起こります。
特に高齢猫で、
- 体重減少
- 食欲低下
- 慢性的な嘔吐
がみられる場合には注意が必要です。

受診する目安は…
以下のような場合は、なるべく早く動物病院を受診してください。
- 1日に何度も吐く
- 水を飲んでも吐く
- 食欲がない
- 元気がない
- 血が混じっている
- 体重が減ってきた
- お腹を触られるのを嫌がる
- 異物を飲み込んだ可能性がある
特に水も飲めない状態では脱水が進みやすく、早期の治療が必要になります。
普段から吐きやすい猫ちゃんでも上記のような変化がみられた場合は、病気が隠れている可能性があります。
「以前から吐く子だから」と決めつけず、早めに動物病院へご相談ください。
「正常な嘔吐」と「病気による嘔吐」の境界は意外と難しいものです。普段から吐く頻度やタイミングを記録し、小さな変化に気付けるようにしておくことが大切です。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
獣医師 鈴木
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