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犬の外耳炎は「治ったら終わり」じゃない? 再発を防ぐプロアクティブ療法について
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こんにちは。獣医師の黒木です。
「耳の治療をして一度は良くなったのに、しばらくするとまた赤くなってしまう」
「耳をかゆがるたびにとりあえず点耳薬を使っている」
このようなお悩みはありませんか?
犬の外耳炎は、一度治療して症状が落ち着いても、繰り返してしまうことが少なくありません。
今回は、繰り返す外耳炎を予防するための「プロアクティブ療法」という考え方についてご紹介します。
なぜ外耳炎は繰り返すの?
犬の外耳炎では、細菌やマラセチアなどの常在菌が増えていることがあります。
しかし、これらの感染だけが外耳炎の原因というわけではありません。
アレルギー性皮膚炎などによって耳に炎症が起こりやすい状態が続いていると、いったん感染を治療して耳がきれいになっても、再び炎症が起こり、そこから細菌やマラセチアが増えて外耳炎を再発することがあります。
つまり、繰り返す外耳炎では「今起きている感染を治すこと」だけでなく、「なぜ繰り返しているのか」を考えることが大切です。

プロアクティブ療法とは?
外耳炎が悪化してからその都度治療する方法を「リアクティブ療法」と呼ぶのに対し、プロアクティブ療法は、悪化する前の段階から炎症をコントロールし、再発を防ぐことを目的とした治療です。
一度しっかりと治療を行い、耳の炎症や感染が落ち着いた後も、再発しやすい耳に対して少ない頻度で抗炎症治療を継続し、炎症が強くなる前に抑えていきます。
イメージとしては、
「悪くなったら治す」
だけではなく、
「良い状態をできるだけ長く維持する」
ための治療です。
近年では、慢性または再発性の外耳炎に対して、感染をコントロールした後に局所的な抗炎症治療を継続することで、外耳炎の再発を減らせる可能性が報告されています。
ここは大切なポイントですが、プロアクティブ療法は、抗菌薬や抗真菌薬を予防的にずっと使い続ける治療ではありません。
まず細菌やマラセチアなどの感染がある場合には、それを適切に治療します。
その後、耳の状態が落ち着いたところで、必要に応じて抗炎症作用のある薬を少ない頻度で使用し、炎症の再発を予防していきます。
そのため、耳垢検査などで現在の耳の状態を確認しながら治療内容を調整することが重要です。

耳掃除だけでは予防できないことも、、
「外耳炎にならないように、毎日耳掃除をした方がいいですか?」
と聞かれることがあります。
もちろん、耳垢がたまりやすい犬では適切な耳洗浄が役立つことがあります。
しかし、外耳炎の原因がアレルギーなどによる「炎症」である場合、耳掃除だけでは再発を防げないことがあります。
逆に、必要以上の耳掃除が耳への刺激になってしまうこともあるため、その子の耳の状態に合わせたケアが大切です。
こんなワンちゃんは要注意です
・何度も外耳炎を繰り返している
・治療をやめるとすぐに耳をかゆがる
・耳が赤くなりやすい
・アレルギー性皮膚炎がある
・一年のうち何度も点耳薬を使用している
このような場合は、その都度外耳炎を治療するだけではなく、長期的な再発予防について考えてみてもよいかもしれません。
外耳炎は「良い状態を維持する」ことも大切です
外耳炎というと、耳が赤い、かゆい、臭い、耳垢が多いといった症状が出てから治療するイメージが強いと思います。
しかし、繰り返す外耳炎では、症状がなくなった時点が治療のゴールとは限りません。
耳がきれいになった後に、その良い状態をどう維持していくかまで考えることで、外耳炎を繰り返す頻度を減らせる可能性があります。
「毎回治療しているのに、また外耳炎になる」
「最近、耳の治療をする回数が増えてきた」
という場合には、一度耳の状態や外耳炎を繰り返す原因について詳しく調べてみることをおすすめします。
気になる症状がありましたら、当院までお気軽にご相談ください。

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