当院での治療例
犬・猫の健康寿命を延ばすために |板橋区ときわ台の動物病院
- 当院での治療例
近年、犬や猫の平均寿命は着実に延びています。
2021年度の統計では、犬は平均14.2歳、猫は14.7歳と報告されており、室内飼育の普及、獣医療の進歩、ライフステージに合わせたフード開発などが寄与しています。
しかし、大切なのは「長生き」ではなく、元気で質の高い生活を送れる健康寿命を延ばすことです。犬は7歳前後、猫は10歳前後からシニア期に入るとされ、それぞれのライフステージで適切なケアを行うことが重要になります。
こちらでは、獣医学と人の抗加齢医学の知見を踏まえて、若齢期・中齢期・シニア期に分けた健康寿命延伸の具体策を解説します。
健康寿命とは?
- 寿命:亡くなるまでの期間
- 健康寿命:病気や寝たきりにならず、元気に過ごせる期間
犬や猫にとっても「できるだけ自分らしく、飼い主と幸せに過ごせる時間を延ばす」ことが目標になります。
若齢期:取り返しのつかない消耗を防ぐ基礎づくり
若齢期は、一生の健康を左右する最重要の時期です。テーマは「壊さないこと」。歯や関節など、一度失われると元に戻せない部分を守ることが大切です。
歯周病予防 (一生使う歯を守る)
- 歯は一生残してあげれるように、小さい頃から守ってあげることが大事。
- キーポイントは、ホームケアと病院でのプロフェッショナルケア。
- 家では毎日の歯磨き習慣を早めに身に付け、デンタルガムなども組み合わせる
- 病院では定期的な歯科検診を受ける、3歳以降は定期的な歯科クリーニングを受けるようにしましょう。
- 歯周病は心臓病や腎臓病、ヒトやマウスでは糖尿病やアルツハイマー病などにも関連するため全身の健康に直結します。
腸活(腸内環境の改善)
- 腸は免疫の約70%を担う「健康の土台」
- プロバイオティクス・食物繊維(プレバイトティクスと言います)を意識
- 若齢期から腸活を始めることで、中齢・シニア期の免疫維持にも効果
適切な栄養管理
- 活動量や体格に合った食事管理
- 若いうちから肥満を防ぎ、適正体重を維持する習慣をつける
- 抗酸化成分(ビタミンC・E、タウリン、ポリフェノールなど)を意識
運動習慣と関節サポート
- 犬は毎日の散歩、猫はキャットタワーや遊びで運動を確保
- 関節は一度傷むと元に戻せないため、若齢期から体重管理とサプリメント(グルコサミン・オメガ3など)で予防
👉 若齢期は「土台づくり」のステージ。壊さない工夫が未来を守ります。
中齢期:予防的アンチエイジングの開始
6〜9歳頃の中齢期は、まだ目立った不調は少ないものの、老化は静かに進行しています。この時期のテーマは「積極的に予防すること」。
アンチエイジング健診
- 通常の健康診断に加え、ホルモンや臓器機能を詳しく見る
- 「健康な時の数値」を知っておくことで異常の早期発見につながります
腸活と関節サポートの継続
若齢期から始めたケアを継続。腸内環境の維持は炎症抑制や認知症予防にも役立ちます。
点滴・注射療法
- マイヤーズカクテル:ビタミン・ミネラルを直接補給し、疲労回復・免疫強化に
- プラセンタ注射:抗酸化作用や肝機能改善が期待される
サプリメント(NMNなど)
- NMNは細胞エネルギー代謝をサポートする成分として研究が進んでいます
- 人で注目されている成分を、獣医療でも安全性を確認しながら導入
👉 中齢期は「予防的アンチエイジングの実践期」。元気な今こそ未来への投資を。
シニア期:積極的な健康維持と生活の質の向上
10歳以降はシニア期に入り、体の変化が目立ち始めます。この時期のテーマは「進行させないこと」。
アンチエイジング健診の頻度を増やす
- 年1回ではなく、半年に1回(場合によっては3ヶ月に1回)
- 腎臓病・心疾患・腫瘍を早期に見つける
関節炎の積極的治療
- 消炎鎮痛薬やサプリメント
- 近赤外線治療、リハビリ療法、水中トレーニング
- 痛み管理と運動維持のバランスが重要
食事管理の見直し
- シニア期はカロリー控えめ、タンパク質しっかりが基本
- 消化吸収に優れた動物性タンパクを中心に
- 水分摂取を意識し、腎臓や泌尿器の健康を守る
サプリメントの活用
シニア期には食事や生活習慣だけでは補えない部分をサプリメントでサポートするのも有効です。
- NMN:細胞のエネルギー代謝を支える成分。ミトコンドリア機能や老化関連疾患の研究で注目されています。
- HMB:筋肉分解を抑え、筋肉量や運動機能の維持に役立つとされ、シニア犬・猫のサルコペニア対策に期待できます。
- EPA・DHA(オメガ3脂肪酸):炎症を抑える作用があり、腎臓病や関節炎、皮膚炎などの慢性炎症のケアに効果が報告されています。
先進的なアンチエイジング療法
- 近赤外線治療:血流改善・疼痛緩和
- 水素吸入:抗酸化による老化抑制の可能性
- 幹細胞治療・上清液:関節や老化ケアで応用され始めている
- ホームケア : 適切な運動、おうちでのマッサージなど
👉 シニア期は「生活の質を守るステージ」。食事・サプリメント・治療を組み合わせて、元気な時間を最大限に延ばしていきましょう。
まとめ:予防こそが最良の医療
犬や猫の健康寿命を延ばすために大切なのは、ライフステージごとに適切なケアを行うことです。
- 若齢期:壊さない(歯・腸・関節・体重管理)
- 中齢期:予防的アンチエイジング(健診・サプリ・点滴療法)
- シニア期:進行させない(関節治療・先進医療・生活の質維持)
定期健診を軸に、日常生活を見直し、病気を未然に防ぐことが、最も効果的な健康寿命延伸の方法です。
愛犬・愛猫との大切な時間をより長く、より豊かにするために——今日からできることを一緒に始めていきましょう。
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